これまでほぼ3年間、原則着用とされていたマスクがいよいよこの3月13日から着用について「個人の判断」が基本になります。
といっても着用は「任意」だったはずなので、「任意」が「個人の判断」になるのはおかしな話なのですが、まあ細かい話は置いておきましょう。
厚生労働省が出しているチラシには原則個人の判断でOKですが、例外事例(ただし、次の場合には注意しましょう)という但し書きで着用推奨事例が書かれていて、これでは現状と何も変わらない、と感じますね。
事実、岐阜県や島根県(着用が効果的な場面では着用推奨)、神奈川県(医療機関では常時マスク着用)などは独自のガイドラインで着用推奨する基準を定めていて、せっかくの政府の「個人の判断」が意味をなさなくなる対応をしている自治体もあります。
またちなみに、3月13日以降マスク着用をどうするかについて渋谷と新橋でアンケートが取られていますが(集英社)、
《渋谷編》
着用する :28人
着用しない:7人
場合による:64人
(着用する理由)
「営業の仕事をしているから、家族のためにリスク回避したいから」「一人暮らしなので感染したら頼れる人がいない」「飲食店勤務なのでマスクなしは難しい」
《新橋編》
着用する :57人
着用しない:0人
場合による:43人
(着用する理由)
「完全にコロナが収まるまでは取引先に迷惑をかけたくない」「マスクなしで商談したら不信感を抱かれる」「管理職としての責任があるので自分から進んでは無理」
(以上出典:集英社オンライン)
こんなん出ました!
どうでしょうか。
新橋に至っては絶望の「着用しない:ゼロ」。
理由を聞く限り、企業トップからの指示があるまでもう未来永劫外すタイミングは巡って来る気がしません。
マスクはスーツの一揃いの一部になってしまったんですね。収入に直結する場面なので首根っこを押さえつけられているということでしょう。
また感染予防以外でも「マスクで顔が隠れるのでメイクも手抜きで楽だし顔も可愛く見えるから」「花粉症予防の意味でも続けたい」のような理由でむしろつけ続けたいマスク女子の声もあって、3年でこうまで社会は変わってしまうのかという気分です。
そもそも厚労省が3月13日以降も「マスクの着用が推奨される場面」として、
・医療機関を受診
・医療機関・高齢者施設の訪問
・通勤ラッシュ時などの電車やバス
をあげていますが、ここが変わらなければ今までとぱっと見あまり変わらないのではないかと思ってしまいます。
ただ、ガイドラインに忠実だった飲食店や映画館、美術館などでの圧はやわらぐ可能性がありますね。また美容院や圧のあった一部百貨店も見直しになるようです。
それでも5月8日の5類移行までなんらかの段階を設けてくる施設もあるようです。
私個人的には日常生活でマスクを回避できないのは医療機関くらいなので(美術館からは足が遠のき、映画は配信で観ています・・)、大きな変化はないような気もしています。ああ、飛行機内のマスクがなくなりますね、これは大変朗報です!
ただ結局は一人一人の考え方が反映される部分が大きいでしょう。
気になるのが従業員への着用義務を継続しているところが多いことですが、これは接客業の方にそれぞれ疑問を持って頂きたいところではあります。
しかしこれらはすべて肝心の感染予防効果がある前提で国も自治体も個人も話を進めているわけですが、この点について画期的な結論が発表されているのをご存知ない方が大変多いのではないでしょうか。
2023年1月30日、エビデンスに基づく医療において国際的に最高水準と認められているコクランレビューで「マスクの着用に急性呼吸器感染症に対する有意な効果なし」と発表されました。
信ぴょう性の高い文献で効果なし、と認められているのです。
「いやでも高齢者がいるから」「基礎疾患があるから」と不安になる気持ちはわからなくもありませんが、厳しい言い方をすればそれは《個人の信仰》です。個人の信仰にいつまでも社会全体が巻き込まれている今の現状はまともな国のあり方とは言えません。
コクランレビューはいわゆるマスクの感染防止効果否定のエビデンスとなりうるものだと理解しているのですが、このことは日本国内でほとんど知られていないのではないかと思います。
本来の意味で効果が認められていないもののために、全国民の行動が制限されているのです。
この3年ではっきりしましたが、この国の施政者たちは私たち国民とはまた違った事情を抱えていて、全てを親切に教えてくれる存在ではないんです。ただ巻き込まれるに任せていていては、異常を異常と感じる感性が鈍磨していってしまいます。
そうなったら終わりです。
これからは情報は自分で取りに行きましょう。