もう10年以上も前ですが、勤めていた会社が東日本大震災後に経営不振となり、雰囲気が怪しくなっていました。社内にもいろいろな噂が流れ、気の利いた人から転職していく、というような危なげな様子に。
そんなある日、私自身も上層部から呼び出しがあり、「辞めてほしい」との打診を受けました。おまけに退職金制度がなかったこともあり、事実上「無一文での放逐」でした。
こういう話は唐突に降ってくるので、誰でも動揺しますよね。
私も少々動揺しましたが、これが「退職勧奨」であって「整理解雇」ではないということから退職はしない方針で策を練りました。(ちなみに「整理解雇」は簡単にできるものではなく、整理の必要性、被解雇者選定の合理性、回避努力義務の履行、手続きの妥当性の4要件が必要とされます。)
法律相談で知った弁護士さんに社内での情報収集の仕方を教わり(こんなことまで教えてくださる気の利いた先生でした!)、翌日からボイスレコーダーを常備しての出勤で緊張感はありましたが、非日常の高揚感もあるという不思議な日々が始まりました。
通常業務をこなしながらちょっとした変化があれば有志の弁護士団体に相談する。。
そんなこんなで一ヶ月ほど過ぎ、再度の呼び出しで「退職はしない」旨をお伝えすると「わかった」との返事。
その後しばらく配置転換などを懸念していましたが、私は退職することなく勤務を続けることになりました。
ところが結局この事件で、私以外の声をかけられた全員が退職してしまったのです。
ちなみに私が断ったあとに声をかけられた人もあっさり退職したとか。
これを知った時私は会社に対する以上に、退職した方々に対して大きな失望を感じました。
なんやそれ・・という感じです。
退職勧奨に退職の義務がないことはほとんどの方は知っておられたと思います。それなのに「上から言われたから」とひどい条件での退職なのに簡単に辞めてしまう。
自分のことだから勝手、という理屈もあるかもしれませんが、こういう要求に簡単に従っていると企業は次もその次もこのやり方を繰り返していくことになります。
このことを通じて私は「誰でもではなく、自分や大切な人の尊厳を守るためにきちんと立ち上がる人の手助けをしたい」と考えるようになりました。
これがMINORIAを立ち上げるに至った私の動機の原点です。
こういう従順な態度は今日の日本のコロナワクチン接種からワクチン後遺症・ワクチン死に至る過程でも共通して言えることだと思います。権力のある人に言われたから考えずに従う、という行動は自分の尊厳を放棄するようなものです。ちょっと調べれば、ちょっと行動すれば回避できるものを、「億劫だから、不安だから」と避けて考えることから逃げてしまうと、どんどん自分や家族の大切なものを自分から捨ててしまうことになります。
今なおメディアが流す情報を鵜呑みにして、何か変だと思っても能動的に調べる行動に出ない方々が多いですが、こういう従属気質のままで過ごすことはこれから先の生活においても危険しかないと感じます。
変だと思ったらそれを行動に移しても、実際に思っているほどの不安やリスクはないんです。
一人でも多くの人が、厄介ごとを回避することによりさらなる厄介ごとを抱え込むという、この不幸なスパイラルを断ち切って、一緒に新しい活気にあふれた社会を作っていけることを願ってやみません。